先日行われたウェブ講演会での長尾先生の発表をまとめてみる
私たちは、なにより患者さんにとっての医療安全を心がける責務がある。
100%安全とは言い切れない中で、100%を目指す医療安全にするには
いったいどのように考えたら良いのかを日々奮闘中です。
ソアビル歯科医院は、全力で患者さんの医療安全に取り組んでいます。
ここではキーワードを中心にまとめ、多少コメントを織り交ぜています。
患者安全の全体像と展望
・クリニックにおける安全対策は急務である。
・大規模医療機関と小規模医療機関で同じでよい??
という問いかけからはじまり
医療安全をめぐる様々な取り組みとして過去から以下のような取り組みがあった
・理念の中に安心安全を盛り込む
・医療安全管理マニュアルの作成
・医療安全管理責任者・GRMの配置
・インシデントレポーティングシステムの導入
・医療事故調査
・医療機能評価
・診療報酬加算
・チームスキルトレーニングの導入
・・・・などなど様々な取り組みが行われてきたが、医療事故はなくならず
行政も困っていたようです。そこで、もう一度安全をやり直せないかとの委託をうけ
長尾先生のグループが立ち上がったとのことでした。
まず何を行なったのかというと
ヒヤリ・ハット ニアミスのレポーティングシステム
まず患者に今起きていること、今起きそうなことを明確にすることが重要である
ここでは、
1、死にいたる医療事故 2、再発防止策の検討
についての話でしたが
普段からどんな小さな問題でも同じように考えることが重要であると感じました。
有事平時
医療安全の祖 ジェームスビーズンによると
安全をつくるためには、4つのカルチャーが必要になるとのことです。
・報告する文化
・柔軟な文化
・正義の文化
・学習する文化
インシデントレポートの重要性
事象
定数 変数
費用の負担
楽観的な意見、が浸透してしまう
ストーリージェネレーション(Story Generation集団心理ってやつ。医療現場の人間は知っている。つまり医療事故の疑いの事象に対して当事者が話し合ってる時に都合の悪い事を発言すると『あいつは後向きな事しか言わない』と嫌がられるから、いつしかその集団は都合のいいように考える事。
レポーティングの意義
1、患者安全の確保
2、事象の共有
3、透明性の確保
4、正式な支援
5、システムの改善
安定期に逸脱を生まない
可逆的 主観に頼らない
レフトフェーズ
1、リスクを断つ
ルール決め
チームステップス
医療安全の対策についてアレルギー反応みたいになっている人が一定数いる。
医療者の行動が変わらなければ、患者の安全は守られない
テーマ
現状把握
目標設定
要因解析
対策立案
実施
効果測定
取り組み標準化
4ヶ月でやらなくなるが、2年続くと習慣化する
→リスクを数値化しながら、行動変容していく
組織内での変化、患者の行動変容
これらキーワードを実際の臨床に結びつけることが
患者さんの医療安全につながることになる