2023.12/23
力のコーディネーター認定コース
口腔の機能は、日頃あまり気にしていない人が多いですが、生きるために大切なことを行っています。例えば、発音、嚥下、呼吸、咀嚼などは、健康な身体を維持するために必須のものであり(図1)、これらの機能を正しく営むためには口腔環境を整え、形態を正しくしておく必要があります。形態と機能とは密接な関係にあり、歯ならびが悪いと機能も悪くなることが多いのです(図2)。歯ならびが悪いので、気にして矯正歯科医のところに行くと、そこでは形態の検査をします。かみ合わせを調べるために口腔内模型の作製、口腔内写真、顔の写真、上顎と下顎の位置関係を調べるレントゲン写真(セファログラム)、等の検査をします。これらの検査により、標準値や正常値に対する患者の状態、異常な様子を詳しく調べ、治療の必要性を調べます。
歯ならびが悪いまま成長すると、噛むところがなくなり、食べ物をよく噛めなくなります。
口腔機能は、生まれつきもっているものもありますが、大部分は乳幼児期から周りを見て教わり、それを繰り返して習慣になって身に付くものです。それぞれの家庭環境や生活習慣の中で教わったりまねしたりしながら獲得されるのです。その中には口腔形態に悪い影響を与える癖があり、繰り返すことにより形態を悪くする口腔習癖があります。安静時に口唇を少しあけて口で呼吸をしていたり、発音時に口唇を前に突き出していたり、嚥下時に口唇を吸い込んでいたり、舌で口唇をなめていると、口唇が突出して上下顎前突となります。また、上顎歯列に空隙が生じることもあります
口腔周囲筋が機能活動をしていない時間、すなわち安静時となって休んでいるときにも口腔習癖はおこります。その代表的なものが舌前方突出癖であり、指しゃぶりであります。口腔周囲筋が安静状態にあるのに、口腔周囲筋のもつ習癖によってこのような癖が始まります。このような口腔機能時および安静時の異常は、口唇や口腔周囲筋に悪い影響を与え、不正咬合の成因となることもあります。
顎骨の形を変えさせる顎外力
顔に圧力を加える癖には、頬づえ、机上でのうつ伏せ寝、ベットでの睡眠態癖、などがあります。その中には力が横に加わり、下の顎やオトガイが横にずれて、顔が非対称になってしまう人がいます。では、頬づえのときにどれくらいの力が加わっているのでしょうか? 頬づえをしている状態で圧力センサーを間に入れ、加重して圧力を測ったところ20N の力が加わっていました。机上でのうつ伏せ寝では、25Nが加わり、うつ伏せ寝では44N 、 枕の上に横向きうつ伏せ寝では15~34Nが加わっていました。このように毎日同じような習慣性姿勢を数回、数時間行っていたり、悪い睡眠姿勢を数時間とっていると、頭部の重みも加わってかなりの圧が顎顔面に作用することになります。これらが発育期の小児に加わっていると顔に側方圧として作用し、オトガイを側方へ偏位させ、顔を非対称にさせる原因となります。しかし、このような習慣性姿勢位には個人差があり、加重に対する反応も異なるでしょうから、必ずしも異常が表現されるとは限りません。しかし、顎に変形がおこってしまうと矯正治療で治すのも大変ですので、十分に注意していただきたいと思います。
口腔の形態を悪くするような顎外力を態癖と呼び、口腔の姿勢位を調べるときに注意して調査します。態癖も口腔機能の癖、口腔習癖と同じように毎日の行動や営みの中でみられるものであり、注意しないと本人が無意識のうちに行っていることもあります。この態癖を治すのも口腔機能を治すのと同じように本人の自覚が大切であり、態癖の状態を少しでも少なくし、できるだけその状態をなくすようにします。小児のときから口腔形態に悪い影響があると思われる習慣性姿勢位や態癖を治す必要がある場合、本人の自覚および家族の協力が必要であります。そして、成長発育期の生活環境を整え、口腔機能を正しくし、姿勢位の異常をなくしていけば、不正咬合や咬合異常を予防でき、正常な状態を長く維持できるものと考えています。
などなど
1、患者さんに口腔に関わる「力」を理解していただき
「力」の影響を解説できること(プレゼンテーション力)
2、良くない「力」の中で取り除けるものは取り除き
態癖を改善してもらえるようにすること(問題解決力)
3、口腔が永く、健康で維持できるように患者と歯科医を繋ぐ仕事です
患者と歯科医の仲介になること(コミュニュケーション能力)
歯科衛生士さんとしてステージを上げることができる
とても素晴らしい勉強会です