対象:すべての患者・特に歯科恐怖症の患者さん
1. 基本方針
- 患者さんの恐怖や不安を「理解・共感」する姿勢を大切にします
- 無理な処置や強制は絶対に行わず、患者のペースに合わせて対応いたします
- 院内全体で一貫したチーム対応を徹底します
2. 初期対応(受付・カウンセリング)
▶ 受付スタッフ
- 声のトーンは柔らかく、ゆっくり丁寧にいたします
- 初診時に「歯科治療に不安があるか」の確認をカルテに記録します
- 名前を呼ぶときも優しく呼びかけるよう心がけ、不安そうな場合は「大丈夫ですか?」と一声おかけします
▶ カウンセリング担当
- 問診票に「歯科恐怖症」「過去の嫌な経験」などの欄を設けています
- 「どんなことが怖いですか?」「過去に嫌な思いをされたことはありますか?」など、具体的な聞き取りをいたします
- 「今日は診察だけでも大丈夫ですよ」と伝えたり、プレッシャーを与えません
3. 診療室での対応
▶ 歯科医師・衛生士
✳ コミュニケーションの工夫
- 最初に治療の流れを説明し、不安要素を事前に除きます
- 「途中でつらくなったら、手を挙げて教えてくださいね」など、コントロール感を与えます
- 専門用語は避け、わかりやすく、短く、やさしく説明いたします
✳ 処置中の配慮
- 治療器具の見せ方や音(タービンなど)に注意します
- 必要があればイヤホン・ブランケット・アロマなどを使用しリラックス環境をつくる
- 麻酔は表面麻酔→麻酔(時に電動麻酔)で丁寧に行います。
4. 院内環境の工夫
- 待合室:明るく清潔感のある空間、歯科器具の音が届かない設計を目指します
- カウンセリングルーム:個室で、落ち着ける雰囲気づくりをします
- 診療ユニット:可能ならパーテーションや壁で仕切り、圧迫感の軽減をします
5. 記録とチーム共有
- 恐怖の内容・苦手なこと・希望などをカルテやスタッフ間メモに明記します
- 次回来院時も継続して安心してもらえるように、担当者だけでなく院内全体で情報共有します
6. 緊急対応(パニック・過呼吸時)
- 治療は中止し、落ち着ける場所へ誘導します
- 静かな声で「深呼吸して大丈夫ですよ」「今日は無理せず、また日を改めましょう」と声かけいたします
- 水やタオルを用意し、必要に応じて付き添い者への連絡も検討します
✨ 最後に
「安心できたから、通えるようになった」
この一言がもらえるよう、“人としての寄り添い”を忘れません!!